田中圭「いろんな感情はありますけれど…楽しみたい」 “生の舞台”の魅力も熱弁

2026/07/26 07:30 

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田中圭  撮影/田中達晃(Pash) (C)ORICON NewS inc.

 俳優の田中圭が、7月31日から東京・仙台・名古屋・上田・大阪の5都市で上演される鈴木おさむ氏の書き下ろし新作舞台『母さん、ラブソングです。』の主演を務める。2011年の『芸人交換日記』から始まった鈴木氏と田中の企画シリーズ第4弾となる今回は、21年『もしも命が描けたら』以来、約5年ぶりのタッグとなる。いったいどのような感情で舞台に臨むのか。2人芝居の相手役となる事務所の後輩・矢崎広とともに、話を聞かせてくれた。(インタビュー全3回/3回目)

【写真】矢崎広とWバースデー祝う“新鮮”な金髪メッシュ姿の田中圭

■「おさむさんと矢崎と作る1つの作品を、皆さんに見てもらうことが楽しみ」

――田中さんは今回、約1年ぶりに“役を演じる”と伺いました。(取材時)脚本が完成していないなかで、不安なのか、期待なのか、楽しみなのか、今の感情をお聞かせいただけますか?

【田中】もう、全部あります(笑)。でも“楽しみ”については、自分が役を演じることというより、おさむさんと矢崎と1つの作品を作って、それを皆さんに見てもらうっていうシチュエーションが楽しみです。

 “不安”については、やっぱり「せりふを覚える」とか、当たり前に毎日やっていたことをやっていなかったので、覚えているのかなっていう心配はあります。実際やってみたら、意外と何の問題もないぐらい、当然年月(経験)は重ねてきているので、大丈夫とは思いつつも、忘れてたらどうしようとか思うことも。

 逆に、この1年の間に自分に蓄積されたもので、芝居が1つブーストかかってるじゃないけど、成長してればいいけど、逆もあるわけじゃないですか。すごく下手になったなみたいな。そっちだったらやだなとか、いろんな感情はありますけれど…。結局、何をどうやってもやるしかないっていう感覚なので、どうせやるからには楽しみたいなっていう感情です。

――どっちに転ぶかというのは、やはり稽古してみないとなんとも言えない?

【田中】たぶん自分自身の問題は、稽古してみてだと思うんですけど、(作品が)面白くなるとか、観てくださる方に面白いって思ってもらえるかって言うと、もうほんと幕が開く直前ぐらいからの部分。おさむさんの(脚)本って、(役を)作り込めばいいとか、稽古いっぱい重ねればいいってものじゃなくて、気持ちの機微をどう動かしたり、どう伝えるかだと思うので。そこはもうほんとに俺と矢崎のコミュニケーションだったり、魂の会話だったり、そこにおさむさんがどう色つけるかなと思うんです。特に2人芝居なので、やっぱ僕らが成立しないことには、おさむさんも色のつけようがないと思うんです。たぶんごまかす演出になっちゃうと思うので、そうはさせないようにちゃんとやっていかなきゃいけないなっていう感じです。

■配信サービス台頭も“生の舞台”が持つ魅力「ハードルも高いんですけど、やりがいはある」

――昨今、映画、ドラマだけじゃなくて、配信サービスでもどんどん作品が生まれてきている中で、お2人はなぜ舞台に挑むのでしょうか?演じる側からして、お2人が感じているその舞台の魅力を教えていただけますか?

【矢崎】僕、今(取材時)シェイクスピア劇をやっているんですけど、これが本当にすごい。1600年代からずっと上演されていて、今の時代も続けてやっている。昔に書かれた本のはずなのに、なぜか普遍的なテーマが詰まっているっていうところに驚きながら、と同時に、演劇の歴史みたいなことも感じながら今やっているんですね。その場で人が何かを演じて何者かになるっていうエンターテインメントが、人を引きつけ、魅了するものがあるというのを、僕は今、いにしえの演劇の層みたいなところに触れながら感じています。昨今、配信などいろいろな形に変わっていますが、もともと演劇を作る、芝居を作るっていうところから派生していってそうなったもので、その祖に近い、原体験みたいなことに近いと思っていて。そこが魅力であるし、あくまでも人と人とのやりとりであるっていうところは結構大きいんじゃないかなって思います。

――そのあたりが、ご自身が舞台を続ける理由に?

【矢崎】僕はそこに魅力を感じているし、ダイレクトに拍手もらうのも、もちろんありがたいです。拍手がないところでも、お客さんと何か通じ合っているような気がしているので、反応ももらったり。そこが、すごく僕が舞台に向かう原動力だし、面白いところだなと思います。

――田中さんはいかがですか?

【田中】役者側から言うと、やっぱ舞台が1番、演技をする上でぜいたくな環境で。1つの(脚)本を1ヶ月以上かけて読み込んで、1ヶ月かけて本番して、また地方行ってみたいな。それほど深く練っていく、熟成させていくというのは、やはり舞台ならではなので。やっぱ俳優にとって舞台というのは、お芝居が好きであればあるほど、必要不可欠というか、やるべきだと僕は思うし、とてもぜいたくな環境だなと思いますね。

――俳優にとっては必要なもの…。

【田中】その分厳しいんです。ごまかしも利かないし、全部生で見られてしまうし。そういう難しさはあるんですけど、やっぱ芝居のぜいたくさを感じられるっていうのが、役者として生きている限りは舞台の魅力だと思います。

 あと、見ている人にも同じことが言えると思います。生で目の前にいる人間が、板の上で、その役者が役として現れる瞬間を見ていただきたいし、その人が持つパワーみたいなのを生で感じて、目の前で感情が動いてくっていうのは、やはり舞台じゃないと。これは、舞台だけの感覚だと思うので、見ている方にもやっぱぜいたくな環境だと思うんです。だから僕たちはその舞台をやる以上、見ている人にそういうぜいたくな時間を作って渡さなきゃいけないなとは思うから、その分ハードルも高いんですけど、やりがいはあります。

――熱い思いをありがとうございます。これから年齢を重ねても舞台は続けていきますか?

【矢崎】僕はそうでしょうね。

【田中】ぼくはわからないです(笑)。

【矢崎】わかんないんかい!(笑)

――では最後に、今作の上演を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

【矢崎】追いかけ続けてきた鈴木おさむ×田中圭の作品ですので、先輩の圭さんにも頑張ってるなと思ってもらいたい。お客さんにも楽しんでるなと思ってもらえるような舞台をお届けして、「舞台って楽しいな」って思っていただける作品作りができたらいいなと思います。ぜひ見ていただければと思いますので、よろしくお願いします。

【田中】僕は、単純にお待たせしましたじゃないですけれども、久しぶりの舞台は自分自身も楽しみなところ。自分の芝居っていうものをぶつけられる環境で皆さんに見ていただけるのはありがたいなと思いつつ、せっかく今回おさむさんと、矢崎とすてきな劇場で2人芝居を長い期間やらせてもらえるので、「これがエンタメだよね」っていうものを皆さんに見ていただきたいと思っています。俺ら2人で頑張りましょう。

【矢崎】はい!

【田中】なので、ぜひ楽しみに足を運んでいただければと思います。

■舞台『母さん、ラブソングです。』

作・演出:鈴木おさむ
楽曲提供:平井大
出演:田中圭、矢崎広

7月31日~8月16日:東京芸術劇場プレイハウス
8月29日~30日:宮城・電力ホール
9月4日~6日:愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
9月12日~13日:長野・サントミューゼ大ホール
9月18日~22日:大阪・SkyシアターMBS
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