共生へ「半ばも行っていない」 19人殺害やまゆり園事件から10年

2026/07/25 20:57 

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 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で利用者19人が殺害され、職員を含む26人が負傷した事件の発生から26日で10年となるのを前に、神奈川県などが主催する追悼式が25日、市内で開かれ、遺族や園利用者、県内の首長ら187人が黙とうをささげた。

 ◇「戦い続けるしかない」

 利用者代表の島田昌尚さん(56)らが登壇。永井清光園長は「どんなに重い障害があっても、感情も意思もあります。そして心が生きています」と、島田さんと連名の追悼の辞を読み上げた。

 黒岩祐治知事は式辞で、事件を知らない世代が増えてきたことに触れながら「障害を理由に差別や虐待されることなく安心して暮らすことができて、誰もがうれしいと感じられる社会」の実現に取り組むと表明した。上野賢一郎厚生労働相も追悼の辞を述べた。

 津久井やまゆり園の元職員、植松聖(さとし)死刑囚(36)の裁判の判決では、園での勤務経験が動機の基礎にあったと指摘され、近年は他の県立施設で虐待も相次いだ。

 式後の記者会見で黒岩知事は、障害者の地域移行や共生社会を目指す国民意識の進展について「10年たって変わったと言える自信は全くない。道半ばの“半ば”も行っていない。だが、諦めるわけにはいかない。戦い続けるしかない」などと述べた。

 ◇施設は「人間関係紡ぐ場であるべきだ」

 例年のプログラムに加え、式後は「誓いの集い」として障害当事者らによるパネルディスカッションもあり、「当事者目線」とは何かが話し合われた。

 熊谷晋一郎・東京大先端科学技術研究センター教授は、俳優が芝居で役柄を研究することと似ているとし、「体をよく見て模倣する、その人の歴史を深く知ることだ」と説明した。

 社会福祉法人「コロロ学舎」(東京都)の羽生裕子児童支援部長は、以前の県立施設は利用者を刺激しないことが支援の中心で、隔離が行われていたと指摘。「人との関わりがなくなることで身体機能が低下し、歩けなくなり、見えなくなり、固形物が食べられなくなっていた。暮らしが失われていた」と振り返り、「施設は人間関係を紡ぎ、修復する場であるべきだ」と訴えた。【佐藤浩、國枝すみれ】

毎日新聞

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