モルドバ大統領選、決選投票の見通し EU加盟は賛否拮抗

2024/10/21 11:17 

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 東欧の旧ソ連構成国モルドバで20日、大統領選(任期4年)と欧州連合(EU)への加盟方針を憲法に明記するかを問う国民投票が行われ、即日開票された。大統領選は親欧米派の現職、サンドゥ氏が首位を固めたものの過半数の確保は難しい情勢で、11月3日に決選投票となる可能性が高い。EU加盟については賛否が拮抗(きっこう)している。

 選挙を巡っては、モルドバへの影響力を維持したいロシアが買収や偽情報の拡散などを行って介入した疑惑が強まっている。選挙の結果次第では、現政権を後押ししてきた欧米との間で対立が先鋭化する可能性もある。

 モルドバ選管によると、暫定投票率は51・6%で、国民投票の成立に必要な3割を超えた。大統領選には過去最多の11人が乱立し、開票率が95%を超えた時点で、サンドゥ氏の得票率が4割を超えた。親露派政党の支援を受ける元検事総長のストイアノグロ氏が2位で、3割弱の支持を集めている。

 モルドバ当局は今回の選挙で、ロシアが9月だけでも1500万ドル(約22億円)を投じて13万人の有権者を買収した疑いがあると指摘。欧米各国も関係者を制裁対象に指定するなどして批判を強めていた。サンドゥ氏は選挙介入について、外国の影響を受けた犯罪組織が最大30万票を買収しようとする「前例のない攻撃」をしたと非難し、「結果が出るのを待ち、断固たる決断で対応する」と述べた。【キシナウ岡大介】

毎日新聞

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