アゼル運輸相「何かが機体に衝突」 旅客機墜落で攻撃の可能性示唆
カザフスタン西部で38人が死亡したアゼルバイジャン航空の旅客機墜落で、アゼルのナビエフ運輸相は27日、旅客機の残骸や目撃者の証言から、機体は外部から影響を受けたとの見解を示した。アゼル国営アゼルタック通信が報じた。ロシアの関与には言及しなかったが、ミサイル攻撃などの可能性を示唆した。
ナビエフ氏は、旅客機の目的地だった露南部チェチェン共和国の首都グロズヌイの上空で「3回の爆発音が聞こえた後に何かが機体に衝突した」という生存者の証言に言及。旅客機の翼に複数の穴が開き、機内にも鋭利な物体による損傷が確認されているとした。
アゼルタック通信は今後の調査について、機体に損傷を与えた武器の種類を究明することに重点を置くことになると指摘した。
一方、露連邦航空局のヤドロフ長官は27日、旅客機が墜落した25日朝、グロズヌイ周辺でウクライナの無人機による攻撃が行われており「周辺の状況は非常に複雑だった」と述べた。特別な体制が敷かれ、全ての航空機が指定されたエリアから退去を求められていたとしている。露メディアが報じた。
墜落機はアゼルの首都バクーを出発し、グロズヌイへ向かう途中で機体が損傷した。各種報道によると、機長が緊急着陸を要請したが露領内のどの空港にも着陸を許されず、カスピ海を越えたカザフ西部アクタウへ向かうよう命じられたとされる。
これに対しヤドロフ氏は、機長がグロズヌイへの着陸を2回試みたが失敗し、露航空当局からほかの空港への着陸を提案されたが、自身の判断でアクタウに向かったと述べた。
旅客機の墜落を巡っては、ロイター通信が26日、アゼル情報筋の話として、露軍の防空システムが発射した地対空ミサイルが原因とする暫定調査の結果を報じた。【モスクワ山衛守剛】
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