韓国高捜庁、警護庁の逮捕も検討 尹氏逮捕に抵抗で公務執行妨害疑い

2025/01/06 18:34 

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 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布をめぐり、内乱などの容疑で尹氏の逮捕状を取った高官犯罪捜査庁(高捜庁)は6日、ソウル西部地方裁判所に対し、逮捕状の期限を延長するため、逮捕状を再請求した。高捜庁は3日、警察の支援を受けて尹氏の逮捕を試みたが、大統領警護庁が抵抗し、失敗。逮捕状の執行期限は6日までだった。

 また高捜庁は6日、警察に対して逮捕状の執行を一任するとの文書を送ったと明らかにした。だが警察幹部は6日、警察による逮捕状執行には法的に問題があると指摘し、高捜庁と協議を続けると述べた。最終的には従来通り高捜庁や警察などで構成する合同捜査本部が逮捕状執行を試みる形で落ち着く見通しだ。現職大統領に対する逮捕状執行は史上初なだけに、捜査当局は対応に苦慮している。

 高捜庁は3日の逮捕失敗後、大統領代行を務める崔相穆(チェサンモク)経済副首相兼企画財政相に対し、捜査に協力するよう警護庁に命じてほしいと要請したが、崔氏から回答はなかった。警護庁は尹氏の逮捕を拒否する方針を変えていない。このため6日に逮捕状の執行を試みても、再び警護庁に阻まれる可能性があった。

 一方、警察関係者は6日、再び尹氏の逮捕を試みる際には、抵抗する警護庁の要員らを特殊公務執行妨害容疑で逮捕する案も検討していると明らかにした。聯合ニュースが伝えた。

 尹氏の弁護団は6日、警察による逮捕状の執行は「不法行為だ」と反発した。また3日に尹氏の逮捕を試みた高捜庁や警察などの幹部らを特殊建造物侵入などの容疑でソウル中央地検に告発した。弁護団は、違法な逮捕状の執行だと主張している。【ソウル福岡静哉、果川(韓国北西部)・日下部元美】

毎日新聞

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