古代エジプトの神殿遺構を発見 考古学者「歴史を再構築するもの」

2025/01/09 10:18 

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 エジプトの考古学者で元文化財担当国務相、ザヒ・ハワス博士は8日、南部ルクソールで、古代エジプト第18王朝(紀元前1550~同1295年ごろ)のファラオ(王)、ハトシェプスト女王の神殿の遺構や、第17王朝(同1580~1550年ごろ)の埋葬坑などを発見したと発表した。AP通信によると、ハワス博士は今回の発見について「歴史を再構築するものだ」と語ったという。

 発表によると、発掘現場は有名な古代遺跡「ハトシェプスト女王葬祭殿」の参道付近。新たに遺構が見つかった神殿は、この葬祭殿の入り口として建設されたもので、彫刻が施されたブロックなど1000点以上が発掘された。女王や当時の建築家センムトの名が記された石板も計100点以上あった。

 第17王朝の埋葬坑では、多くの木製のひつぎが発見されたほか、墓所の監視人が使用していたとみられる木製のベッドも残されていた。また、プトレマイオス朝(紀元前305~同30年)の墓所の一部も発掘され、アレキサンダー大王が描かれた銅貨や、焼いた粘土で人や動物をかたどった子供のおもちゃなどが見つかった。

 ハワス博士が率いるエジプトの調査隊は2022年9月からこの現場で発掘調査を行ってきた。発見した遺物の一部はすでに国内の博物館で展示されている。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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