マスク氏率いる政府効率化省が政府機関に「昇格」 権限付与狙いか

2025/01/22 10:50 

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 トランプ米大統領は20日の大統領令で、富豪で実業家のイーロン・マスク氏が率いる助言機関「政府効率化省(DOGE=ドージ)」を政府機関に位置づけた。従来は「政府外から助言する」と説明していた。政府内に組み込むことで実質的な権限を与え、各省庁との連携の円滑化を図り、改革の実効性を上げる狙いがあるとみられる。

 DOGEの新設は、第2次トランプ政権の目玉政策の一つだ。歳出削減、規制緩和、人員削減、省庁再編などに取り組むとされる。大統領令によると、連邦政府のデジタル化を進める「米国デジタルサービス」を改組し、「米国DOGEサービス」とする。ホワイトハウス内の組織となり、大統領首席補佐官の管轄下に置かれる。

 米国が建国250年を迎える2026年の独立記念日(7月4日)までの時限的な組織と規定され、その目的は「連邦政府の技術やソフトウエアを現代化し、効率や生産性を最大化する」と定義した。トランプ氏は各政府機関にも「DOGEチーム」を設置して、連携を図るよう指示した。

 ただ、マスク氏が「公務員」の位置づけになるかは不明で、代理の人物を名目上の組織トップとする可能性もある。

 米メディアによると、共同トップを務める予定だった実業家のビベック・ラマスワミ氏は、中西部オハイオ州知事選に立候補するため、DOGEには関わらない。共和党内には、言動が攻撃的なラマスワミ氏を嫌悪する声があり、マスク氏もDOGEの活動と選挙戦を並行して進めるのに反対していたという。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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