米国のトランプ大統領（共和党）は２４日、西部カリフォルニア州ロサンゼルスや周辺で続く山火事を巡って、連邦政府による支援に政治的な条件をつけた。災害に便乗し、対立する民主党の牙城であるカリフォルニア州政府に圧力をかける手法には、批判が出るのは必至だ。

　トランプ氏は２４日、就任後初の地方訪問の一環でロサンゼルスを訪れ、山火事の被災地を視察した。訪問を前に、復旧支援の条件として、州政府が選挙の投票時の身分証確認を義務づけることや、水利権を調整してロサンゼルスなどで使える水を増やすことを求める考えを示した。

　投票時の身分証確認を巡っては、各州で厳格化を求める共和党と、反対する民主党との間で政治問題となっている。

　予算編成権を握る連邦議会のジョンソン下院議長（共和党）も、カリフォルニア州への支援は「条件付き」になるとの考えを示し、民主党側は反発している。【ワシントン秋山信一】