トランプ氏、ガザ難民の周辺国移住を提案 エジプトやヨルダン反発

2025/01/27 09:01 

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 トランプ米大統領は25日、パレスチナ自治区ガザ地区の住民をヨルダンやエジプトなどのアラブ諸国が受け入れるべきだとの考えを明らかにした。AP通信などが報じた。アラブ諸国はガザ地区からの難民流出はパレスチナの土地を失うことにつながるとして強硬に反対してきた経緯があり、反発を示している。

 報道によると、トランプ氏はガザ地区について「ほとんどすべて破壊され、人々が死んでいる。だからアラブ諸国も巻き込んで、別の場所に家屋を建てて平和に暮らせるようにしたい」と語った。実現した場合、難民受け入れが長期的なものになるのかは明言を避けた。25日にヨルダンのアブドラ国王と電話協議し、こうした考えを伝えたという。米国のバイデン前政権はアラブ諸国と同様、難民流出には反対していた。

 これに対し、エジプト外務省は26日、「パレスチナ人の正統な土地に対する権利を引き続き支持する」との声明を発表。ヨルダンのサファディ外相もパレスチナ人の退去は「固く拒否する」と表明した。ガザ地区のイスラム組織ハマスも声明で「パレスチナ人は強制退去という罪を拒否してきた。米国はパレスチナ人が、自由と独立国家を獲得できるよう取り組むべきだ」と反発した。

 一方、イスラエルの極右勢力からは歓迎の声が上がっている。地元メディアによると、極右政党の党首、ベングビール前国家治安相はX(ツイッター)に「世界の超大国の大統領がこのアイデアを持ち出すなら、実行する価値がある。今こそ移住を促進せよ!」と投稿。スモトリッチ財務相も声明で「これまで政治家たちはパレスチナ国家を樹立するという非現実的な解決を提案してきたが、流血につながるだけだった」と主張し、トランプ氏の「素晴らしいアイデア」に賛同を示した。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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