テレビ局のイメージ強いフジHD 実は利益の半分以上は「不動産」

2025/01/27 17:03 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 テレビ局のイメージが強いフジ・メディア・ホールディングス(HD)。コロナ禍後は、営業利益の半分以上を都市開発や観光事業で稼ぐようになった。オフィスやマンションに加え、インバウンド(訪日客)の人気が高い観光地にホテルを出店するなどして売り上げを伸ばしている。

 フジHDの2024年3月期連結決算は、全体の売上高が約5664億円で、営業利益は約335億円だった。

 このうち、フジテレビを中心とするメディア・コンテンツ事業が売上高で全体の7割以上を占めたが、営業利益は約4割の約157億円だった。

 一方で、東京・大手町のサンケイビルをはじめとした都市開発・観光事業の売上高は約1283億円で全体の約2割だが、営業利益はメディア・コンテンツ事業を上回る195億円を計上した。

 フジHDは近年、不動産投資に力を入れ、12年にサンケイビルを子会社化。そのサンケイビルは15年、千葉県の鴨川シーワールドなどを運営するグランビスタホテル&リゾートを買収して事業を拡大した。

 24年3月期のサンケイビルの業績は、マンション販売などが好調で過去最高益を記録。グランビスタホテル&リゾートもインバウンド需要を取り込み、売上高でコロナ前を上回った。

 首都圏以外でも積極的な動きを展開し、24年6月には水族館の神戸須磨シーワールド(神戸市)と、新たに併設したホテルの運営を始めた。大阪・黒門市場近くでは米ホテル・ハイアットとフランチャイズ契約を結んだホテルを開業した。【小坂剛志】

毎日新聞

経済

経済一覧>