柑橘類と食物繊維ダメ? 意外と知らない風邪の時に控えたい食べ物は? 【管理栄養士解説】

2025/01/29 11:30 

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ビタミンCの働きで風邪予防にも良いとされる柑橘類。ところが…

 風邪をひいた時の食事と言えば、多くの人が「消化が良いもの」「ビタミンC」「野菜」などをイメージするのではないだろうか。ところが、この柑橘類と食物繊維の摂取には注意すべき点があると言う。風邪で体調が優れない時に控えるべき食材・食事について、たいや内科クリニックの管理栄養士・林安津美さんが解説する。

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■控えるべきは免疫機能が低下するもの、喉や消化器官を刺激するもの

 風邪をひいているときは、体が細菌やウイルスと戦うのに集中しているため、消化や代謝に負担をかける食べ物を避けましょう。また、一見健康に良さそうに見えるものや、普段は無害なものでも、風邪の際には避けた方が良い場合があります。

 高濃度ビタミンドリンクや大量のプロテインバーなど、健康に良いと思われるビタミンCやサプリメントも、過剰摂取は体に負担をかけることがあります。特に胃腸が弱っているときには注意が必要です。

■風邪をひいた時に気を付けたい食べ物10選

1:冷たい飲み物・食べ物
冷たいものを摂ると体を冷やし、免疫機能が低下する可能性があります。特に喉の痛みや咳がある場合、冷たい飲み物やアイスクリームは症状を悪化させることがあります。

2:油っぽい食事
揚げ物や脂っこい食事は消化に時間がかかるため、消化器官に負担をかけ、体のエネルギーを消耗します。風邪のときは免疫機能を優先するため、消化に優しい食事が望ましいです。

3:砂糖を多く含む食品
砂糖の摂取は免疫機能を一時的に低下させる可能性があります。また、血糖値の急上昇とその後の低下によって体が疲れやすくなり、回復を遅らせることがあります。

4:辛い食べ物
唐辛子やスパイスの効いた食べ物は、一部の人には喉や消化器官を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。特に喉の痛みや胃腸の不調があるときは避けるべきです。

5:カフェインを多く含む飲み物
カフェインには利尿作用があり、体から水分を排出しやすくなるため、脱水症状を招く可能性があります。風邪のときは水分補給が重要なため、カフェインの多い飲み物は控える方が良いです。

6:柑橘類(過剰な摂取)
柑橘類はビタミンCが豊富で風邪に良いと思われがちですが、酸味が強いため、喉が痛い場合には刺激となることがあります。また、胃腸が弱っているときに過剰摂取すると胃酸過多を引き起こす可能性があります。

7:アルコール
アルコールは体を脱水させ、免疫機能を低下させる可能性があります。また、睡眠の質を低下させ、風邪の回復を妨げます。

8:食物繊維が多すぎる食品
通常、食物繊維は健康に良いですが、胃腸が弱っているときに過剰に摂取すると消化に負担をかけ、下痢や腹部不快感を引き起こす可能性があります。

9:乳製品(過剰な摂取)
乳製品は一部の人にとって、鼻や喉に粘液を増やすと感じることがあります。これにより鼻づまりや痰が悪化する場合があります。風邪で体調が優れない時は過剰摂取に気を付けましょう。

10:加工食品
加工食品には保存料や添加物が多く含まれ、これらが免疫系に余計な負担をかける可能性があります。また、塩分や糖分が多いため、体に負担を与えます。

PROFILE/林安津美さん
管理栄養士。大学卒業後、JAあいち厚生連に入職。37年間、病院の管理栄養士として勤務、その間豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。病態栄養専門管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・腎臓病療養指導士・がん病態栄養専門管理栄養士・和漢薬膳師等の資格を生かし、現在はたいや内科クリニックで患者に寄り添った医療を届けている。
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