国内初の水素燃料電池船「まほろば」 大阪・関西万博で運航へ

2025/01/30 05:30 

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 岩谷産業は29日、大阪・関西万博で運航する水素燃料電池船「まほろば」を報道陣に公開した。同社によると、旅客用の水素燃料電池船は国内初。4~10月の万博期間中は「動くパビリオン」として、大阪市中心部と万博会場がある夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)を往復する。

 水素と酸素の化学反応で発電し、航行中に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、環境負荷が少ない。まほろばは、トヨタ自動車の水素燃料電池車の技術を活用して約130キログラムの水素を搭載。時速約20キロで最大150キロの距離を航行できる。

 全長33メートル、全幅8メートルの2階建てで、定員は最大150人。近未来的な斬新な船体のデザインは、自動車や空飛ぶ車のデザインで知られるデザイナーの山本卓身さんが手がけた。岩谷産業の担当者は「乗り心地は非常に静か。燃料のにおいもしない。万博で水素の可能性をアピールしたい」と話す。

 万博期間中は週3日、4月にオープン予定の「中之島GATEサウスピア」(大阪市西区)―ユニバーサルシティポート(同市此花区)―夢洲間を運航する。所要時間は中之島から夢洲まで約1時間。運航スケジュールや乗船料などは後日発表する。【妹尾直道】

毎日新聞

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