フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス（ＨＤ）は３０日、２０２５年３月期連結決算の業績予想を下方修正し、最終（当期）利益を従来予想の２９０億円から９８億円に引き下げた。前期の最終利益３７０億円と比べると約７４％減となる見込みだ。

　タレントを引退した中居正広さんによる女性とのトラブルを巡り、フジテレビの対応を問題視した広告主がＣＭを差し止め、ＡＣジャパンのＣＭに差し替える動きが相次いだため。２月以降のキャンセルも出ていることも踏まえたもので、経営への打撃が顕在化した。

　フジ・メディアＨＤは３０日の取締役会でＣＭ差し替え分やキャンセル分については広告料を請求しないことを正式に決定した。業績予想ではフジテレビの広告収入を従来予想より２３３億円減少すると見込んだ。

　フジ・メディアＨＤの売上高は従来予想から５０１億円引き下げ５４８２億円とし、本業のもうけを示す営業利益も従来の３５３億円から１８０億円に下方修正した。【道永竜命】