衝突当時、視界は良好 トランプ米大統領、ヘリや管制官の対応を批判

2025/01/30 22:42 

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 米連邦航空局(FAA)などによると、首都ワシントン近郊のロナルド・レーガン・ナショナル空港付近で29日午後9時(日本時間30日午前11時)ごろ、着陸態勢に入っていたアメリカン航空の小型旅客機(乗員乗客64人)と米陸軍のヘリコプター「ブラックホーク」(搭乗員3人)が上空で衝突した。旅客機とヘリはポトマック川に墜落。消防当局は30日朝の記者会見で「生存者がいるとは考えていない」と説明した。

 消防当局によると、30日朝までに旅客機から27人、ヘリから1人の遺体を収容した。機体は三つに分断され、水中に沈んでいる部分があるため、捜索活動は難航している。遺体の捜索には「数日かかる」との見通しを示した。

 当局によると、衝突当時は視界は良好で、ヘリも旅客機も通常の飛行経路をたどっていた。米国家運輸安全委員会(NTSB)が事故原因の調査を始めた。

 FAAなどによると、旅客機はカナダ・ボンバルディア社のCRJ700で、中西部カンザス州ウィチタからレーガン空港に向かっていた。ブラックホークは訓練飛行中だった。管制官がヘリの操縦士に「CRJが視界に入っているか」「CRJの後方を通過しなさい」と指示した後に衝突が発生した。

 空港は全ての離着陸を停止し、着陸予定だった便はワシントン郊外の別の空港に行き先を変更した。発着の再開は早くても30日午前11時になる見通しだ。

 トランプ米大統領は30日未明、自身のソーシャルメディアに「視界は良好な夜で、旅客機のライトはついていた。なぜヘリは上昇、下降、転回しなかったのか」と投稿。「(事故は)防げたはずだったように思える。悪い状況だ」とヘリや管制官の対応を批判した。

 米国フィギュアスケート協会は、選手やコーチら多数のスケート関係者が搭乗していたと明らかにした。ロシア出身で元世界選手権王者のコーチ夫妻も含まれるという。在米国日本大使館は「情報収集中だが、これまでに日本人が搭乗していたとの情報には接していない」としている。

 レーガン空港はポトマック川沿いにある首都の主要空港の一つ。周辺には国防総省があり、軍のヘリコプターも頻繁に飛行している。【アーリントン(南部バージニア州)西田進一郎、ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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