横綱・豊昇龍 口上は「気魄一閃」 大関昇進時と一緒 その思いは

2025/01/29 11:04 

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 日本相撲協会は29日午前、東京・両国国技館で臨時理事会と春場所(3月9日初日・エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、横綱審議委員会から推薦された豊昇龍(25)=本名・スガラグチャー・ビャンバスレン、モンゴル出身、立浪部屋=の第74代横綱昇進を満場一致で決めた。新横綱は2021年7月の名古屋場所後の照ノ富士以来。モンゴル出身力士では豊昇龍の叔父の朝青龍らを含めて6人目の横綱になった。

 相撲協会は昇進を伝える使者として境川理事(元小結・両国)と審判部の大鳴戸親方(元大関・出島)を東京都台東区の立浪部屋へ派遣。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)らとともに出迎えた豊昇龍は「横綱の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で精進いたします」と口上を述べた。大関昇進時と同様の口上で、伝達式後に記者会見した豊昇龍は「大関に上がってから、その言葉通りに頑張ってきた。何があっても力強く立ち向かう」と語った。

 千葉・日体大柏高出身の豊昇龍は18年1月の初場所初土俵。20年9月の秋場所で新入幕し、関脇だった23年7月の名古屋場所で初優勝して、場所後に大関へ昇進した。24年11月の九州場所では優勝した琴桜に大関同士による千秋楽相星決戦で敗れたものの13勝した。

 綱取りとなった今月の初場所は9日目までに3敗を喫した。しかし、10日目以降は白星を重ね、千秋楽は平幕の王鵬、金峰山との優勝決定ともえ戦を制し、大関として初めて優勝した。横綱審議委員会は27日、豊昇龍のここ2場所の成績は内規にある「大関で2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」に当たるとし、満場一致で横綱に推薦していた。

 初場所は6日目の17日に一人横綱だった照ノ富士が引退した。だが、豊昇龍の昇進で、1993年1月の初場所以来32年ぶりの横綱空位は回避された。

【岩壁峻】

毎日新聞

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