亡くなった元兵庫県議、悼む声やまず 辞職後も受けた「攻撃」

2025/01/29 06:30 

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 兵庫県の文書告発問題に関する県議会調査特別委員会(百条委)の委員だった竹内英明元県議(50)が亡くなり、悼む声が県政関係者から相次いでいる。

 竹内さんは、行財政改革や財政問題に精通し、勉強熱心な議員として知られていた。時に追及されることもあった県幹部も「竹内氏不在の百条委を見て、改めて県政に必要な人だったと痛感している」とその死を惜しむ。

 斎藤元彦知事が2021年に初当選して半年後の議会では「就任前から知っている幹部だけではなく、胸襟を開いていろんな職員とも、仕事や仕事以外でも幅広く交流されたほうがいい」と諭した。後に斎藤氏が、周囲とのコミュニケーション不足を指摘されることを予見しているかのようだった。

 斎藤氏のパワーハラスメントなどの疑惑が告発された問題を究明する百条委では、委員として精力的に質問を重ねた。

 その中で、知事本人に鋭く質問を重ねる姿には反発も多く、SNS(ネット交流サービス)上には誹謗(ひぼう)中傷や事実誤認を交えた大量の批判動画が掲載された。事務所などに嫌がらせの電話もあったとされる。

 竹内さんは「家から出ることも難しい状況で、家族を守るのを優先する」として、斎藤氏が再選された24年11月の知事選投開票日翌日に辞職。それでも「攻撃」はやまなかった。

 県議会の同じ会派だった県民連合の上野英一県議は「彼はネットは見ないようにしていたが、支援者らに『これはうそか、ほんまか』と聞かれたのがきつかったのでは。バンカラなやつだったのに」と悼んだ。

 会派控室の竹内さんが使っていた机には花が飾られ、同僚議員だけでなく、県職員からの弔問が絶えない。

 ある県幹部は「耳の痛い問題をズバリと追及される方で、厳しい議員という印象だった。本質を見抜いて指摘をするには、たくさん勉強しないといけない。こうした緊張感は県行政にとっては必要不可欠だった」と語る。【中尾卓英、山田麻未】

 ◇相談窓口

・24時間子供SOSダイヤル

 いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。

 0120・0・78310=年中無休、24時間。

・子どもの人権110番

 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。

 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分

・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)

 さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。

・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/)

 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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