中高生2人相次ぎ死亡 社会福祉法人の施設の行事で 群馬県が調査

2025/01/29 09:57 

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 群馬県邑楽町の社会福祉法人が運営する施設に関連し、2024年8月~25年1月に男女の中高生2人が相次いで死亡していたことが28日、町などへの取材で判明した。このうち障害児支援施設に通所していた男子高校生(当時17歳)は海水浴の行事で体調を崩して亡くなっており、県は関係者に任意の聞き取りを実施し、当時の状況などを調べている。【湯浅聖一、遠山和彦】

 県などによると、高校生は昨年8月、新潟県の海水浴場で行われた施設の宿泊学習に参加。職員が付き添って海で遊んでいた際に体の具合が悪くなった。意識はあったため、施設側は救急車の要請や病院の受診をせず、高速道路で3~4時間かかる地元のかかりつけの病院に直行しようとしたが、途中で容体が急変し、搬送先の病院で死亡した。高校生は持病があったという。

 当時の施設側の対応について、県の担当者は「聞き取り調査をまとめているところで、問題の有る無しを判断できる状況ではない」と話している。

 このほか昨年11月、同法人の系列の認可保育園で職場体験をしていた町内の女子中学生(14)が意識を失って病院に搬送され、今年1月に死亡。中学生に持病はなかったという。町は24日の町議会全員協議会に女子中学生の死亡を報告しており、町教委は「施設の対応は適切だった」としている。

 法人の理事長は毎日新聞の取材に対し「遺族の心情もあるので、文書にしてくれたら県や町と相談して回答する」とだけ話し、法人としての見解などについては答えなかった。

 同法人は1979年に設立。町内で認可保育園や放課後デイサービスなどの障害児・者支援施設を運営し、介護事業も展開している。

毎日新聞

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