「テスラ株持ち続けて」マスク氏、従業員に訴え 株価急落阻止へ

2025/03/22 09:29 

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 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は20日、従業員にテスラ株を保有し続けるよう呼び掛けた。トランプ米政権での政治的な言動が有権者の反発を招き、米国ではテスラ不買運動や放火事件が発生。困惑する従業員を落ち着かせ、株価急落を食い止める狙いとみられる。

 マスク氏は従業員を集めた集会で、自動運転技術の開発などでテスラは今後も成長を続けると力説。「つまり私が言いたいのは、株を保有し続けてほしいということだ」と訴えた。

 不買運動については「私たちの製品を買いたくないのは理解できるが、燃やす必要はない。理不尽だ」と批判。「これはサイコ(精神障害)だ。サイコはやめろ」と語った。

 大統領選勝利への貢献でトランプ氏の側近となったマスク氏は、連邦政府の予算や人員の削減を問答無用で実行し、有権者の怒りを買った。「極右」政治勢力に肩入れする発言も反発を招き、欧米などで販売不振に陥っている。

 テスラ株は大統領選後に急騰した後に下落に転じ、足元では昨年12月の過去再高値の半分程度に落ち込んでいる。19日にはマスク氏と親しいラトニック商務長官が、テレビ番組のインタビューで「バイ・テスラ(テスラ株を買え)」と公言していた。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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