ハマス、新たなガザ停戦案の受諾表明 イスラエルは対案と攻撃拡大

2025/03/30 07:05 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部、アルハヤ氏は29日、仲介国から2日前に提示された新たな停戦案を受け入れると表明した。一方、対立するイスラエルの首相府は29日、声明で「米国と完全に調整した上で、仲介国に対案を示した」と述べた。イスラエル軍はガザ地区南部で地上作戦を拡大しており、合意に達するかは見通せない。

 アルハヤ氏は、ラマダン(イスラム教の断食月)明けの祝祭を前に公表したビデオ演説で、「停戦という目的のため、あらゆる提案に前向きに対応した。占領軍(イスラエル)が仲介国の努力を妨害しないよう期待する」と語った。

 ロイター通信などによると、停戦案は仲介国エジプトがまとめたものとみられる。ハマスが毎週5人ずつ人質の解放を進め、その後に恒久的な停戦へ移行するとの内容だ。提案では、イスラエル軍のガザ撤退を米国が保証するとしている。

 ハマス側の表明に先立ち、イスラエル軍は29日、ガザ南部ラファで地上作戦を始めたと発表した。28~29日にはハマスの戦闘員数十人を殺害したと主張し、今後もガザ全域で空爆を続けると表明した。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ガザでは18日にイスラエルが戦闘を再開して以降、900人以上が死亡した。支援物資の搬入も再開されておらず、人道危機が拡大している。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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