トランプ氏、ウクライナとの鉱物資源協定で圧力 要求拡大か

2025/03/31 16:40 

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 トランプ米大統領は30日、ウクライナのゼレンスキー大統領が鉱物資源の共同開発を巡る協定から「手を引こうとしている」との見方を示した上で、「もしそうすれば、彼は大きな問題を抱えることになるだろう」と述べた。米側はウクライナへの「安全の保証」はしない一方で、要求を拡大していると報じられており、トランプ氏は協定に応じるよう圧力をかけた格好だ。

 トランプ氏は大統領専用機内で記者団に、「ゼレンスキー氏が再交渉を望んでいるなら大きな問題がある」と主張。ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟にも触れ、「彼は加盟したがっているが、決して実現しない。彼もそれを理解している」と語った。

 トランプ政権は鉱物資源を巡る協定をこれまで支援してきた資金の「回収」と位置づけ、ウクライナ側に締結するよう求めてきた。ただ2月の首脳会談で決裂し、署名は見送られていた。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、米側はその後要求を拡大。米国が、鉄道や港湾などのインフラに加え、石油、天然ガス、鉱物資源の採掘に関する投資の管理権限を持つ。また両政府が基金を設立し、共同で運用。米政府は事業の収益からウクライナへの支援総額のほか、年4%の利息も回収するという内容だ。ただウクライナ政府高官は「不公平」だとして不満を示しているという。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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