「あらゆるものが足りていない」 ミャンマー地震、村は壊滅状態

2025/04/01 06:00 

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 「こんな困難な状況、夢にも思わなかった。食料や水、あらゆるものが足りていない」――。ミャンマー南部の最大都市ヤンゴンで障害者向けの職業訓練学校を運営しているNPO法人「難民を助ける会」(東京都品川区)には、震源に近い同国中部マンダレーの近郊に暮らす修了生からこんな悲痛な声が届いた。

 同会が2000年に開設した職業訓練学校は、ミャンマー全土から障害者を無償で受け入れ、修了生は2000人を超える。修了後は古里に戻って起業したり就職したりする人が多い。

 3月28日の地震発生後、同会はマンダレー出身の修了生約120人の安否確認を進めている。30日にようやく、1人目となる30代女性と電話がつながった。

 この女性が暮らすマンダレー近郊にある村落は「壊滅状態」。200軒以上あった住宅は多くが倒壊し、約20軒しか残っていないという。女性も住まいを失ったほか、母親が足を負傷し歩けなくなった。女性のめいを含めて、少なくとも9人が亡くなった。大きな揺れが続くため、壊れかけの家では暮らせず、村人たちは近くの僧院に身を寄せている。交通アクセスが遮断されるなか、被災者たちは窮乏に耐えているという。

 難民を助ける会は、現地の障害者支援団体の協力を得て、マンダレーや首都ネピドーなどで被災状況を調査。雨風や蚊をしのぐすべもないような厳しい被災地域がいくつも確認された。ブルーシートをはじめ、調理不要のレトルト食品や衛生用品などの支援物資を早急に届けたいと考えている。同会は「地震に続き感染症の拡大も心配される」とし、ホームページを通じて寄付を呼びかけている。【松浦吉剛】

毎日新聞

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