中国・習指導部、重要役職入れ替える異例人事 不透明な動き相次ぐ

2025/04/03 18:09 

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 中国の習近平指導部を構成する共産党政治局員(24人)である石泰峰(せきたいほう)・党中央統一戦線工作部長(68)と李幹傑(りかんけつ)・党中央組織部長(60)の役職が入れ替わる異例の人事が行われた。国営新華社通信などが2日に伝えた。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、任期内に政治局員の役職を入れ替えた例は過去にないという。

 中央組織部長は党の人事や幹部育成、引退幹部の処遇を担い、中央統一戦線工作部長は台湾・香港や外国への浸透工作、民族・宗教問題を担当。役職としての格付けは同じだが、実質的には人事を担う中央組織部長がより実権があると受け止められている。

 2人は2022年10月の習指導部3期目発足に伴い政治局員入りし、その後、元の役職に就いていた。

 今回、中央組織部長となった石氏は党幹部を養成する中央党校での勤務が長く、国家主席に就任する前の習近平氏が校長を務めた際は、副校長として仕えた。

 一方、李氏は原子力の専門家で国家核安全局長などを歴任。宇宙開発や軍事産業など科学技術人材を幹部に起用する習氏の人事戦略を象徴する一人と言える。

 異例の役職入れ替えの意図は説明されていないが、習氏が主宰した3月31日の政治局会議では「政治的責任感を強化し、トップダウン体制を強化しなければならない」と強調していた。国内経済の減速やトランプ米政権の対中圧力など逆風に直面する中、危機感を強める習氏が党内の引き締めを図った可能性がある。

 習指導部を巡っては、軍制服組トップである中央軍事委員会副主席の一人で政治局員でもある何衛東氏(67)の動静が3週間にわたって途絶えており、一部米メディアが「失脚か」と伝えるなど不透明な動きが相次いでいる。【北京・河津啓介】

毎日新聞

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