米国務長官「GDP比5%の国防費達成へ道筋を」 NATO外相会議

2025/04/04 10:18 

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 北大西洋条約機構(NATO)は3日、ブリュッセルで、ウクライナ支援や欧州の防衛強化などについて協議する外相会議を開いた。会議は4日までの日程で、ルビオ米国務長官が就任後初めて出席した。ロシア寄りの姿勢が目立つトランプ米政権への欧州の懸念が高まる中、ルビオ氏は米国がNATOにとどまる意向を明言するとともに、加盟国に対し国防費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げるための具体的な道筋を示すよう求めた。

 ルビオ氏は会議前の記者会見で、「米国はNATOにこれまで通り活発に関与している」と主張。米国のNATOへの関与低下や将来の脱退の可能性を議論する世界各国メディアの報道について「疑心暗鬼で誇張されており、根拠がない」と批判した。

 そのうえで、「NATOを強化する唯一の道は、加盟国がより大きな軍事力を持つことだ」と述べ、「全ての加盟国がGDP比5%の国防費目標に向けて取り組む具体的な道筋の中にいるという共通の理解を得たい」と強調した。

 米国はこれまでも一貫して欧州の負担増を求めてきた。ただ、バイデン前政権時代はGDP比2%の国防費が目標で、トランプ政権が設定した5%は高い壁だ。NATOによると、加盟32カ国中、国防費支出がGDPの4%を超えるのはポーランドだけで、2%に達したのも23カ国にとどまる。イタリア、スペイン、ベルギーなどは1・5%にも満たない。ルビオ氏は「1年や2年で達成できるとは期待していない」と目標達成期限については明言せずに、確実な取り組みの強化を求めた。

 外相会議は、トランプ米大統領がウクライナに侵攻するロシアのプーチン大統領に融和的な姿勢をみせ、バンス米副大統領が欧州への反感を示すなど、欧州で米国への不信感が高まる中で開かれた。

 ヘグセス米国防長官は2月のNATO国防相会議で、「米国はもはや欧州を優先的に扱わない」とアジア太平洋地域などへの重点移行を示唆しており、欧州の加盟国の大幅な国防費負担増は避けられない情勢だ。。ルビオ氏は「トランプ大統領はNATOへの支持を明確にしている。我々はNATOにとどまる」と述べたが、現在約10万人規模とされる在欧米軍の縮小は現実味を帯びている。

 ロシアが軍備を拡張する中、6月のNATO首脳会議に向け、加盟国が国防費増加でどこまで足並みをそろえられるかが、欧州の防衛強化のカギとなる。【ブリュッセル宮川裕章】

毎日新聞

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