NATO外相会議が閉幕 加盟国の国防費、大幅増加の方針で一致

2025/04/05 11:14 

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 北大西洋条約機構(NATO)外相会議は2日目の4日、ウクライナ支援や欧州の防衛力強化に向け、加盟国の国防費を大幅に増加する方針で一致し、閉幕した。ルビオ米国務長官は米国がNATOへの関与を継続する意向を明言したが、中長期的な米国の関与低下への懸念は払拭(ふっしょく)されなかった。

 6月に予定されているNATO首脳会議では、国防費を国内総生産(GDP)比3~5%とする目標設定が議論される可能性がある。

 ルビオ氏は4日の会議後の記者会見で、「米国はこれまで通りNATOに大きく関与しており、これからも継続する意向だ」と強調し、米国の関与低下を懸念する加盟国に配慮した。ただ、「そのためには真の同盟となることが必要だ」と述べ、加盟国が軍事費負担を増加させ、防衛力強化を進めることを条件とする考えを示した。

 欧州各国はウクライナに侵攻するロシアの軍備拡張に対抗するためにも、大幅な国防費負担増加は避けられない情勢だ。NATOのルッテ事務総長は4日の会議後の会見で、「現在の(ロシアに対する)抑止力を維持するためには、GDP比2%では不十分なのは明らかだ」と述べた。

 米国はNATO加盟国の国防費総額の6割以上を占めている。ルビオ氏は3日の会議前の会見で、NATO加盟国に国防費をGDP比で最大5%まで引き上げる目標を示した。バイデン前政権時代まで米国は他の加盟国にGDP比2%の国防費を求めていたが、トランプ大統領は他の加盟国に「最低でもGDP比3%の国防費を求める」と発言したこともある。

 ただ、欧州経済が停滞する中、国防費の急激な増額は容易ではない。NATO加盟32カ国中、国防費がGDPの4%を超えるのはポーランドのみで、2%超も23カ国にとどまる。イタリア、スペイン、ベルギーなどでは1・5%を下回る水準だ。

 さらに、米国が現在約10万人規模とされる在欧軍を縮小する可能性も指摘されている。ヘグセス米国防長官は2月のNATO国防相会議で、「米国はもはや欧州を優先的に扱わない」とアジア太平洋地域などへの重点移行を示唆。ルビオ氏も4日の会見で、「米国はインド太平洋地域の同盟でも責任を負い、(中東の)紅海における航行の自由の確保にも関与している。中国は平時における歴史上最大規模の軍備拡張を進めており、こうした全てに対応しなければならない」と欧州各国との防衛環境の違いを指摘した。

 6月のNATO首脳会議に向け欧州各国は、独自の軍事力強化への具体的な取り組みを示すことで米国との関係強化を図り、米国のNATOへの関与低下を防ぐ意向とみられる。【ブリュッセル宮川裕章】

毎日新聞

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