トランプ政権がグリーンランドの諜報強化を指示か デンマークは懸念

2025/05/08 12:31 

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 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は6日、トランプ米政権が領有に意欲を見せるデンマーク領グリーンランドを巡り、米中央情報局(CIA)などに対して諜報(ちょうほう)活動を強化するよう指示したと報じた。米政権の方針に賛同する人物を特定することなどを求めているという。

 WSJは「米政権がグリーンランドの獲得に向けて講じた最初の具体的な措置の一つだ」と指摘した。この報道を受け、デンマークのラスムセン外相は7日、懸念を表明した上で、米側と協議する意向を示した。

 報道によると、グリーンランドは歴史的に米国の諜報活動の主要な対象地域ではなかった。だが、トランプ政権では、ギャバード国家情報長官配下の複数の高官が先週、CIAや国防情報局(DIA)などの情報機関に活動強化の指示を出した。グリーンランドの独立運動や、米国の資源採掘への反応などに関して詳しく調査するよう求めているという。

 大部分が北極圏に位置するグリーンランドは、安全保障上の要衝であることに加え、レアアース(希土類)など天然資源も豊富だ。既に米軍基地はあるが、トランプ大統領は安保の観点から領有の必要性に繰り返し言及している。3月にはバンス副大統領が訪問した。デンマーク側は米国の領有に強く反対している。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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