インド、パキスタン衝突 死者計40人以上に 双方「戦果」アピール

2025/05/08 19:10 

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 インド軍による7日のパキスタン領内への攻撃を巡り、パキスタン軍は7日夜、空爆などにより領内で子どもを含む31人が死亡、57人が負傷したと明らかにした。7日はパキスタン軍も反撃して、地元報道によるとインド側でも少なくとも12人が死亡。双方で計40人以上が命を落とした。

 7日の攻撃から一夜明けた8日は、今のところインド、パキスタン双方とも大規模な攻撃は確認されていない。

 両国とも自国民向けに「戦果」を大々的にアピールしている。インド国防省は、7日の攻撃は「精密能力」を使って実施したとし、民間人の被害を避けるため「標的の選定は慎重に行った」と強調している。

 地元メディアによると、インド軍は7日午前1時過ぎからおよそ25分の間に、ミサイル24発を発射した。4月22日にカシミール地方のインド支配地域で起きた銃乱射事件に関与した疑いがある武装集団の本部や訓練施設など、計9カ所を狙った。うち4カ所はパキスタン領内で、残りはカシミール地方のパキスタン側支配地域だった。

 テロ拠点への攻撃には、事前にドローンなどで標的を正確に特定するための技術を使ったとされ、インド大手紙ヒンズーは「インド軍がこの技術を国外で大規模に使用したのは初めてだった」と伝えている。

 一方、パキスタン軍は7日の報復攻撃でインド軍の戦闘機5機を撃墜したと説明している。これについてパキスタンのシャリフ首相は7日夜のテレビ演説で、「敵に対する優位性を証明した」と強調。インドによる攻撃は重大な誤りで、犠牲者の「血の一滴も無駄にしない決意だ」と訴えた。

 パキスタンメディアによると、7日から8日未明にかけて国内各地にドローンが飛来し、パキスタン軍が12機を撃墜した。軍は「インドからの侵略行為があった」とし、警戒を強めている。

 印パ両国の応酬に国際社会は引き続き強く自制を求めている。トランプ米大統領は7日、今回の攻撃について「私はこれを止めたい。何かできることがあれば、私はそこにいる」と発言した。

 AP通信によると、英国のラミー外相も「迅速かつ外交的な道筋を見つけるために直接対話を行うよう促している」と述べた。【ニューデリー松本紫帆】

毎日新聞

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