皇族数確保で自民・麻生氏と立憲・野田氏が非公式協議 調整続く

2025/05/08 19:44 

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 安定的な皇位継承に向けた皇族数確保策を巡り、自民党の麻生太郎最高顧問、立憲民主党の野田佳彦代表が8日、衆院議長公邸で非公式に協議した。同席した額賀福志郎衆院議長は今国会中の意見集約を目指すが、見解になお隔たりがあり調整が続いている。

 先月24日の協議で野田氏が、焦点となっている結婚した女性皇族の夫と子の身分について、皇室会議の決定に委ねる案を示した。8日の協議で麻生氏は、慎重姿勢を示した模様だ。

 皇室会議は、皇室の重要事項を審議し、皇族2人、三権の長、宮内庁長官ら10人で構成する。皇室典範第10条の「皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経る」との規定を、女性皇族にも適用する考え方だとみられる。皇室会議を経る案は、宮内庁内にも容認論がある。

 また、戦後に皇室を離れた旧宮家出身の男系男子を養子縁組で皇族にする案も協議した。野田氏は「文芸春秋」2024年4月号で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案を実現させるため、旧宮家養子案について「あえて残すことも必要」「二者択一でなく、二つの道を残しながら進めていく」との考えを示している。女性皇族に関する立憲案を自民が受け入れれば、自民保守派がこだわる旧宮家養子案を立憲も容認する余地があるとみられる。

 自民は、今後も旧宮家に生まれる男子も対象となるよう恒久制度化を求めたが、柔軟に対応する姿勢も示す。立憲は、法制化する場合は一定の期間を区切る時限立法とすべきだと主張した。【皇室問題取材班】

毎日新聞

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