インドの旅客機墜落、100人の死亡確認 離陸して数分後に降下か

2025/06/12 21:09 

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 インド西部アーメダバードの国際空港で、現地時間12日午後1時半(日本時間午後5時)過ぎ、エア・インディアの英ロンドン行き旅客機が離陸直後に市街地へ墜落し、炎上した。ロイター通信によると、乗員・乗客242人のうち、100人の死亡が確認された。当局は死者がさらに増える可能性があるとみている。

 アーメダバードを出発し、ロンドン郊外のガトウィック空港へ向かっていた。インドメディアによると、離陸して数分後、高度約250メートルから降下し、墜落した。

 墜落現場は大学の医学生の宿舎で、こちらでも複数の死者が出ているとの報道がある。当該機は墜落直前に遭難信号を出したが、管制側からの問いかけに応答はなかったという。

 墜落機の機種は、ボーイング787-8型機「ドリームライナー」で、ロイターによると、2011年に商業運航を開始した。航空機事故などのデータを集める「アビエーション・セーフティー・ネットワーク」の情報では、墜落は今回が初めてだという。

 エア・インディアによると、搭乗客は国籍別では、インド169人、英国53人、カナダ1人、ポルトガル7人だった。在インド日本大使館は、現時点で日本人の搭乗は把握していないとし、「引き続き確認作業を進める」としている。

 地元テレビは、当該機が機首を上に向けたまま高度を下げて墜落し、大規模な火災が発生する様子を報じた。消防当局が救助活動にあたった。

 今回の墜落を受け、インドのモディ首相はX(ツイッター)に「アーメダバードでの悲劇は衝撃と悲しみをもたらした。胸が張り裂ける思いだ」と書き込んだ。関係当局と連絡を密にしているとも記した。

 また、英国のスターマー首相もXに「非常に痛ましい。状況については随時報告を受けており、この極めて苦しい時を迎えている乗客やその家族に心よりお見舞いを申し上げる」と投稿した。

 エア・インディアは1932年にインド初の航空会社として設立された。英紙ガーディアンによると、グループとしての直近の事故は20年8月にあった。子会社の格安航空会社「エア・インディア・エクスプレス」の旅客機が、悪天候の中で着陸に失敗して大破し、約20人が死亡したとされる。

 アーメダバードは、グジャラート州の主要都市の一つで、自動車関連産業などが発展している。多くの日系企業も進出している。【ニューデリー松本紫帆、ロンドン福永方人】

毎日新聞

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