イラン核施設攻撃、被害は限定的? 米「完全破壊」主張も反論に躍起
米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長は26日の記者会見で、イラン中部フォルドゥの核施設への攻撃を2009年から検討していたと明らかにした。ケイン氏は「想定通りに作戦を遂行できた」との認識を示したが、イランの核開発計画への打撃は限定的だったとの分析も出ており、トランプ米政権は反論に躍起になっている。
ケイン氏によると、米国防総省は09年にフォルドゥでの核施設建設の動きを把握した。「平和目的であれば、遠心分離機のある多層構造の地下施設を山岳地帯に建設しない。当初から(核兵器開発の)目的は明らかだった」と指摘した。
米側は、施設の構造や周辺の地質などを研究し、地中深くまで破壊できる大型地下貫通弾(バンカーバスター)の改良を重ねた。
現地時間22日のフォルドゥの核施設への攻撃には、計12発のバンカーバスターが使用された。イランが防御のために地上の排気口を覆ったコンクリート構造物を1発目で破壊し、残りの11発も次々と狙い通りに命中させたという。
ただ、トランプ大統領の「完全に破壊した」との主張に対して懐疑的な見方も出ている。
米CNNなどは「施設の被害は限定的だった」とする米情報機関の初期的な分析を報道。英紙フィナンシャル・タイムズも「イランが貯蔵する高濃縮ウランの多くは、他の複数の場所に分散され、米軍の攻撃後も『無傷』だ」とする欧州当局の初期的な分析があると報じた。
バイデン前米政権で国務長官を務めたブリンケン氏も米紙への寄稿で「前政権もイラン核施設への攻撃を検討したが、地下核施設を完全に破壊できるかは疑問だとする専門家の見解があった」と指摘した。
ケイン氏と共に26日に会見したヘグセス国防長官は「成功を収めた歴史的な作戦だ。(懐疑的な)報道はフェイクニュースだ」と主張。だが、ケイン氏は施設の被害の詳細について「時期尚早だ」と言及を避けた。
トランプ氏が意欲を見せるイランとの核問題を巡る交渉の行方も不透明だ。トランプ氏は25日に「来週開催される」と述べたが、ホワイトハウスのレビット報道官は26日に「現時点で予定されているものはない」と説明した。
米国は軍事力で打撃を与えた後、外交力でイランと「包括的な和平合意」(ウィットコフ中東担当特使)を結ぶことで、トランプ氏が提唱する「力による平和」を具現化しようとしている。だが、仮に協議が再開されてもイラン側が国内でのウラン濃縮活動を放棄するかは見通せない。【ワシントン金寿英、松井聡】
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