タイとカンボジア、停戦発効後も交戦が発生 タイは「合意違反」主張

2025/07/29 11:09 

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 国境地帯で軍事衝突を続けてきたタイとカンボジアの停戦が29日、発効した。だが、地元メディアによると、停戦発効後も複数の地点で交戦が発生。タイがカンボジアの「停戦合意違反」を主張するなど、緊張が続いている。

 両国の国境地帯では24日から衝突が続いている。タイのプムタム首相代行とカンボジアのフン・マネット首相は28日、東南アジア諸国連合(ASEAN)の現議長国マレーシアで停戦協議に臨み、29日からの無条件の停戦で合意していた。

 しかし、報道によると、29日も国境地帯では交戦が続いた。ロイター通信によると、タイ軍は「カンボジアが複数の地点で停戦協定に違反した。自衛のための報復措置をとった」と主張した。

 両国の停戦はマレーシアや米国、中国が仲介した。タイ、カンボジア両国は軍司令官同士の協議や国境問題を巡る協議を開催することで合意。カンボジア政府によると、米国はマレーシアが組織する停戦監視団に協力する意向も示していた。

 トランプ米大統領は28日に「この戦争を終わらせることで多くの命が救われた」と停戦合意を歓迎。「私はわずか6カ月で多くの戦争を終わらせた。平和の大統領であることを誇りに思う」と自賛していたが、直後に交戦が起きたことで停戦維持の難しさが浮き彫りになった形だ。

 現地では24日に本格的な衝突が発生して以降、両国の死者は民間人ら計30人を超え、住民約30万人が避難生活を強いられている。【バンコク国本愛、ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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