「皆で笑って終われる夏に」 関東一エース、甲子園で果たす雪辱

2025/07/29 07:30 

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 第107回全国高校野球選手権の東東京大会(都高野連など主催)は28日、神宮球場で決勝があり、関東一が岩倉を7―1で降し、2年連続10回目の優勝を果たした。関東一は8月5日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する全国大会に出場する。岩倉は1997年以来28年ぶりの甲子園出場を目指したが、あと一歩届かなかった。【洪玟香、白川徹】

 ◇関東一・坂本慎太郎投手(3年)

 先頭打者として打席に立った四回裏。2球目の甘く入った変化球を振り抜くと、打球はぐんぐん伸びて右翼スタンドに飛び込んだ。高校通算4本目となる本塁打は、チームに勢いをもたらした。

 昨夏の甲子園の決勝延長十回裏、一打逆転サヨナラの好機で打席が回ってきたが、空振り三振に倒れ、試合に敗れた。「あの時、ヒットを打っておけば……」。甲子園の舞台に戻り、雪辱を果たしたいという気持ちはひときわ大きい。

 昨夏以降、九回裏に打順が回ってきそうになると、甲子園での景色がよみがえった。だから、気持ちで負けないよう、初球から思い切り振り抜くことを心掛けている。それが今の好調な打撃につながっていると感じる。

 今大会はエースとしてもチームを引っ張る。7試合中4試合で先発し、4完投、自責点2という快投を見せた。決勝でも「絶対に投げきる」との思いから、米沢貴光監督に「100球を超えても交代させないでください」と直談判し、1失点完投で勝利に導いた。

 目指すは昨年果たせなかった全国制覇だ。ただ、先を見ず一戦一戦に集中し、自分の役割を全うしたいと思っている。「今年は皆で笑って終われる夏にしたい」【洪玟香】

 ◇関東一・米沢貴光監督

 岩倉の勢いとプレッシャーでうまくいかない場面もあったが、選手たちが自ら切り開いてくれた。大会を通して苦労も多かったが、試合を重ねるごとに選手たちは強くなってきた。

 ◇関東一・越後駿祐主将

 全試合1失点以下に抑えられたことが優勝につながったと思う。決勝で初めて先制されたが、次のイニングで奪い返して流れを作り、自分たちのペースで野球ができた。甲子園で優勝したい。

 ◇岩倉・豊田浩之監督

 強豪相手によく戦った。1番から9番まで全員が好機を作り得点する野球を目指した。先制点を取れたので何とかリードを守ろうとしたが、かなわなかった。選手たちは大会を通じて成長した。

 ◇岩倉・岩崎佑志主将

 岩倉の「一人一人がどう勝つか考える全員野球」を心がけ、順調に勝ち上がることができたが、今日は強豪相手に自分たちの野球ができず終わってしまった。甲子園に行きたかった。

毎日新聞

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