イチローさんの地元・愛知で号外配布、ファン殺到 米野球殿堂入り

2025/07/28 16:24 

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 米大リーグのマリナーズなどで活躍したイチローさん(51)=本名・鈴木一朗=がアジア人初の米国野球殿堂入りを果たした。イチローさんが少年時代に通った愛知県豊山町のバッティングセンター「空港バッティング」では、殿堂入りを記念し、メジャーでの19年間の軌跡をまとめた特別号外やステッカーが配られた。

 空港バッティングには、午前10時の営業開始前から多くの人が詰めかけた。午前2時に一番乗りで待機した愛知県春日井市の自営業、吉田将昌さん(38)は「高校生の頃にホームステイ先のシアトルで試合を見た。当時は出身地表記が『Kasugai』とスコアボードに表示されていて誇らしかった」と号外を手に満足げな様子。

 名古屋市守山区から友人と自転車で駆けつけた名経大市邨高2年の松永快さん(16)は「僕らからすれば伝説の人。永遠の憧れです」。背番号51のユニホーム姿で訪れた愛知県飛島村の伊藤司さん(36)は「大谷選手もすごいけれど、僕らの世代だとやっぱりイチローさん。大リーグで日本人の野手が活躍する道を切り開いたと思う」とたたえた。

 特別号外は米国で開かれた表彰式に合わせて大リーグ機構の日本法人が企画し、東京と神戸、愛知の3カ所で計1万部を配布。ファンらは、米国スタイルのニューススタンドからシリアル番号付きの号外を取り出した。

 また、この日はイチローさんの日米通算安打数にちなみ、4367ゲーム分のコインが無料で用意された。ファンたちはバッティングを楽しみ、打球音を響かせていた。

 オーナーの前田岩夫さん(85)は「いつもお父さんと夜10時ごろに来て、200球ほど打っていた」とイチローさんの少年時代を振り返る。「今は子供も大人も、野球をプレーするより、見る楽しさを求める人が増えた。基礎をしっかりと覚えれば、プレーする楽しさへと変わる。そうしたことを教えられる指導者が増えてほしい」と話した。【梶原遊】

毎日新聞

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