交戦続くタイとカンボジア、マレーシアで停戦協議 米中も仲介で関与

2025/07/28 16:03 

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 国境地帯で軍事衝突が続くタイとカンボジアの両首脳は28日、停戦に向けた協議をマレーシア首都近郊のプトラジャヤで実施した。ロイター通信によると、マレーシアのアンワル首相が仲介役を務め、タイからはプムタム首相代行、カンボジア側はフン・マネット首相が出席した。米国と中国の駐マレーシア大使も同席した。

 協議を前に、フン・マネット氏は「協議の目的は即時停戦だ」と自身のソーシャルメディアに投稿した。一方、タイ側はこれまで、「カンボジアの誠実さには疑問が残る」としてきた。今回の協議で即時の停戦に至るかは不透明だ。

 現地では28日も交戦が続き、衝突が始まった24日以降の死者は両国で民間人を中心に30人を超えた。住民10万人以上が避難を余儀なくされている。

 マレーシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の議長国で、アンワル氏は衝突の発生直後から停戦を呼びかけてきた。

 一方、米国のトランプ大統領は27日、訪問先の英北部スコットランドで、記者団に対し、タイとカンボジアの首脳に電話で「戦争を解決しない限り、貿易協定を結ぶつもりはない」と伝えたと説明した。ルビオ米国務長官と連携して和平の仲介努力を続けているとし、「両国の首脳は本当に停戦合意を望んでいる」と期待感を示した。

 ルビオ氏は27日、タイとカンボジアの両外相とそれぞれ電話協議し、緊張の即時緩和と停戦で合意するよう要請した。

 中国外務省の郭嘉昆副報道局長は28日の記者会見で、今回の協議について「高く評価する」とコメントした。その上で「中国は引き続き、カンボジアやタイと緊密に意思疎通し、停戦のため建設的な役割を果たしていく」と述べた。【バンコク国本愛、ワシントン西田進一郎、北京・畠山哲郎】

毎日新聞

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