日印首脳会談「共同ビジョン」 人材交流50万人、対印投資10兆円

2025/08/29 20:23 

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 石破茂首相は29日、来日したインドのモディ首相と首相官邸で会談した。両首脳は会談後、今後10年の具体的な協力の方向性を示す「共同ビジョン」を発表。双方の人材交流を5年間で50万人以上に増やす目標や、インドに10兆円の新たな民間投資を行う目標を盛り込んだ。また共同声明も発表し、覇権主義的な行動を強める中国を念頭に、東・南シナ海情勢に対する「深刻な懸念」を表明した。

 共同ビジョンでは経済、経済安全保障、自動車をはじめとするモビリティーなど8分野の協力を優先分野に設定した。人材交流を50万人以上にする目標では、日本はITなどの分野を中心に5年で5万人のインド人材受け入れを目指す。

 共同声明によると、両首脳はインドが建設中の高速鉄道路線について、JR東日本が東北新幹線用に開発中の新型車両「E10系」を2030年代初頭に導入する方針で一致。温室効果ガスの排出削減量を分け合う「2国間クレジット制度(JCM)」を導入することも確認した。

 また両首脳は、重要鉱物や半導体などの分野での安定供給に向けた協力枠組み「経済安全保障協力イニシアチブ」と、人工知能(AI)に特化した枠組み「AI協力イニシアチブ」を新設することで合意。08年に署名した「安全保障協力に関する共同宣言」を改定し、防衛装備品の共同開発に向けた協力などを新たに盛り込んだと発表した。

 モディ氏の訪日は主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に招待された23年5月以来で、両国首脳の相互往来の枠組みでは18年10月以来約7年ぶり。石破首相は会談冒頭「日印関係をさらなる高みに引き上げ、今後の協力の方向性を発信する機会としたい」と述べ、モディ氏は「インドと日本のような経済大国と民主主義国家の間で、相互協力は非常に重要だ」と応じた。【田所柳子、内田帆ノ佳】

毎日新聞

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