米上院軍事委員会のロジャー・ウィッカー委員長（共和党）が２９日に台湾を訪問し、頼清徳総統と会談した。中国が９月３日に友好国の指導者らを招いて抗日戦争勝利８０年記念式典を開くのを前に、米国と台湾の連帯をアピールする狙いがあるとみられる。

　頼氏は「台湾の自主防衛能力の向上が台湾海峡の安定につながる」とし、米国と軍備品の設計や生産で協力関係を深めたいと述べた。

　また、米連邦議会が数年にわたり台湾支援を盛り込んだ国防権限法案を可決していることに触れ、「軍事委員会が具体的な行動で台湾支持を表明している」と謝意を伝えた。

　ウィッカー氏は「台湾は自由と自決権を保つ力を持つべきだ」と述べた。

　台湾・中央通信社によると、米上院軍事委員長の訪台は２０１６年のジョン・マケイン氏以来で９年ぶり。ウィッカー氏は親台湾派で、中国は訪問の中止を求めていた。【台北・林哲平】