トランプ氏「シカゴは戦争省を知る」 映画パロディーで「脅し」

2025/09/07 18:01 

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 トランプ米大統領は6日、自身のソーシャルメディアで、ベトナム戦争の狂気を描いた映画「地獄の黙示録」のパロディー画像とともに「(中西部イリノイ州)シカゴはなぜ(国防総省が)戦争省と呼ばれるのか知ることになるだろう」と投稿した。犯罪対策のための州兵動員などが念頭にあるとみられるが、治安のてこ入れは不要だとするイリノイ州のプリツカー知事は「脅しだ」と反発した。

 トランプ氏は5日に国防総省の別称として「戦争省」を使う大統領令に署名。肝煎りで導入した別称を早速使って、シカゴに犯罪対策を名目に州兵を派遣する考えを改めて示唆した。

 トランプ氏は、帽子とサングラス姿で映画に登場する軍人に扮(ふん)した自身と、ヘリコプター数機がシカゴとみられる街に飛来する様子が写った加工画像を投稿。映画のセリフをなぞって「朝の強制送還のにおいが大好きだ」とのメッセージも添えた。

 共和党のトランプ氏は、シカゴなど民主党の支持基盤が厚い都市の治安が悪いとして、州兵派遣に再三言及している。

 民主党のプリツカー氏は「州兵派遣は必要ない」と強く抵抗。6日もX(ツイッター)への投稿で「米国の大統領が米国の都市と戦争すると脅している。異常なことだ。イリノイ州は脅しに屈しない」と強調した。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ政権は近く、シカゴで大規模な不法移民の取り締まりの実施を計画しているという。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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