米共和党がつなぎ予算案を発表 政府閉鎖回避狙う 協議は難航か

2025/09/17 10:05 

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 米連邦議会下院の与党・共和党は16日、新会計年度の始まる10月1日から当面の政府運営資金を手当てするつなぎ予算案を発表した。9月末までに成立させなければ、翌日から政府機関は一部閉鎖に追い込まれる。野党・民主党はトランプ政権が推進する社会保障費の削減に反発しており、調整は難航しそうだ。

 つなぎ予算案は、2026会計年度(25年10月~26年9月末)の初日から11月21日までの政府運営資金を手当てする内容。トランプ大統領に近い政治活動家、チャーリー・カーク氏が射殺された事件を受け、連邦議会議員などの警備費を追加計上した。

 与野党対立が深まる連邦議会では9月末までに新年度の本予算を成立させるのが困難となっており、数カ月単位のつなぎ予算で当面の資金を賄うのが常態化している。社会活動や経済に悪影響を与える政府閉鎖を回避するため、毎回、失効期限ギリギリで新たなつなぎ予算を成立させてきた。

 米議会は上下院とも共和党が多数派を握るが、上院で「議事妨害」を回避して通過させるには民主党の協力が必要。第2次トランプ政権発足後の今年3月も、共和党の示したつなぎ予算案の協議が難航したが、上院民主党トップのシューマー院内総務が政府閉鎖を避けるため数人の議員とともに賛成に回り、土壇場で成立にこぎ着けた。

 ただ、トランプ政権に屈した形のシューマー氏は民主党内で猛反発を受けた。今回のつなぎ予算案をめぐり民主党側は医療費の負担軽減策などを求め徹底抗戦する構え。トランプ氏は、つなぎ予算の成立を強く求めており、民主党を批判するとともに共和党が結束するよう呼び掛けている。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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