米国務長官がカタール訪問 イスラエルのドーハ空爆影響協議も板挟み

2025/09/17 07:40 

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 米国のルビオ国務長官は16日、中東カタールの首都ドーハを訪れ、タミム首長やムハンマド首相兼外相と会談した。カタール政府によると、イスラエル軍による9日のドーハ空爆の影響や防衛協力の強化などについて協議した。

 ドーハへの空爆は、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの在外幹部を狙うものだった。これを機に、カタールとイスラエルの関係が一気に険悪化する中、両国と緊密な関係を維持する米国は板挟みとなっている。

 米国にとって、カタールは中東最大規模の米軍基地を置く重要な同盟国だ。一方、米国はイスラエルとも密接な関係があり、軍事支援を続けている。ルビオ氏は15日、イスラエルでネタニヤフ首相と会談したが、この際の共同記者会見ではドーハ空爆への批判は避けた。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、16日の会談では、カタールが仲介してきたガザでの戦闘の停戦交渉についても協議した。ただ、カタール外務省のアンサリ報道官は16日の記者会見で「一方の側が、交渉に前向きな相手側を暗殺したがっている時に、交渉は妥当とは言えない」と述べ、改めてイスラエルを批判した。

 カタールは仲介を続ける意向を示すが、アンサリ氏は「自国の主権を守ることに集中しており、解決するまで他の問題に取り組むことはない」とも語った。イスラエル軍は15日からガザ市制圧に向けて地上作戦を強化しており、交渉再開の見通しは立っていない。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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