EU、イスラエルへの関税優遇一部停止を加盟国に提案 圧力強化狙い

2025/09/17 22:19 

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 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は17日、イスラエルとの貿易協定の一部停止を加盟国に提案すると明らかにした。実現すると協定で認められた優遇措置が停止し、イスラエルからの輸入品の一部に関税を復活させることになる。パレスチナ自治区ガザ地区への侵攻を続けるイスラエルに圧力をかける狙いがある。

 ロイター通信によると、欧州委は、イスラエルの極右政党に所属するベングビール国家治安相とスモトリッチ財務相への制裁も提案した。

 欧州委高官によると、2024年の実績から試算すると、貿易協定の一部停止によってイスラエルからの輸入品のうち58億ユーロ(約1兆円)相当が新たに課税対象となる。イスラエル側にとって2億2700万ユーロ(約390億円)相当の負担増になる。

 実際に協定を一部停止するには加盟国間で規定以上の支持が必要となる。ナチスがユダヤ人を虐殺した歴史があり、イスラエルに外交で配慮することが多いドイツの動向などが焦点となる。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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