モルドバ議会選 政権与党が単独過半数維持か、親EU路線継続の公算大

2025/09/29 11:26 

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 東欧の旧ソビエト連邦(ソ連)構成国モルドバの議会選(1院制、定数101)の投票が28日あり、即日開票された。中央選挙管理委員会によると、2030年の欧州連合(EU)加盟を目指すサンドゥ大統領が率いる与党「行動と連帯(PAS)」が開票率98%の時点で49%超の支持率を集めて他の勢力を大きくリードしている。単独過半数を維持し、親EU路線が継続される公算が大きくなった。

 物価上昇(インフレ)などへの不満から、選挙前の世論調査ではPASの支持率は3割前後と伸び悩んでいた。ロシアに融和的とされる社会党や共産党などによる野党連合「愛国者ブロック」が対抗馬と目されていたが、首都キシナウや、モルドバでは大きな比重を占める在外者投票で伸び悩み、24%超の支持にとどまっている。

 選挙を巡り、モルドバ当局やサンドゥ氏は、影響力を取り戻したいロシア側が偽情報の拡散や買収工作を行ったと非難してきた。複数の欧米メディアによると、モルドバ当局は22日、大規模な暴動などの準備をした容疑などで250カ所を捜索し、74人を拘束したと明らかにした。

 一方、野党連合の中心人物のドドン前大統領は、選挙に不正があったと主張し、支持者に対して29日にキシナウでの抗議集会に参加するよう訴えた。選挙後も混乱が続く可能性がある。

 モルドバは人口約250万人の小国ながら、ウクライナとの国境沿いには、親露派勢力が実効支配しロシア兵が約1500人駐留する沿ドニエストル地域を抱える。ロシアによるウクライナ侵攻で地政学上の重要さが増し、EUとロシアそれぞれが影響下につなぎ留めようと競っている。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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