中朝が北京で外相会談 関係強化で「対米共闘」 非核化には触れず

2025/09/29 09:21 

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 中国の王毅外相は28日、中国を訪問中の北朝鮮の崔善姫(チェ・ソニ)外相と北京で会談した。両氏は、習近平国家主席と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記による4日の会談を踏まえ、トランプ米政権を念頭に、関係を強化していく方針で一致した。中国外務省が発表した。

 中国側が崔氏を招待した。両国は「対米共闘」を優先する形で停滞していた関係の修復に動いており、10月10日の朝鮮労働党創建80年に合わせて行われるとみられる軍事パレードへの中国高官の出席について調整した可能性もある。

 王氏は、首脳会談での合意を実行し、地域の平和と発展をともに推進することが「我々の職責だ」と述べた。また米国を念頭に「強権政治によるいじめ行為は有害だ」と指摘し、国際問題などでの中朝の協力を強化し、覇権主義に反対していく考えを表明した。

 崔氏も首脳会談を評価した上で「両国関係を発展させていくことは確固たる立場だ」と同調。習氏が1日の上海協力機構(SCO)首脳会議で表明した、米欧主導の国際秩序に代わる「グローバルガバナンス(世界統治)」構想を支持する考えを明らかにした。

 中国外務省の発表では、王氏の発言の中に朝鮮半島の「非核化」に関する言及はなかった。4日の首脳会談でも、習氏は非核化についての言及を避けていた。【北京・畠山哲郎】

毎日新聞

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