ハマスが人質を解放 約5カ月ぶり イスラエル側に引き渡す

2025/10/13 14:12 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは13日、拘束していたイスラエル人の人質7人を解放した。地元メディアによると、赤十字国際委員会(ICRC)を通じ、イスラエル側に引き渡された。ハマスは生存している人質20人を順次、引き渡す方針。

 ハマスによる人質の解放は、5月に米国籍のイスラエル兵の男性1人を解放して以来、約5カ月ぶり。この日解放された人質は、2023年10月7日にハマスが越境攻撃を行った際に拉致された人たちで、約2年間、ガザでハマスの拘束下に置かれていた。

 停戦合意では、ハマスは停戦発効から72時間以内に拘束中の人質と遺体計48人を引き渡すと定められている。ガザでは10日正午(日本時間同日午後6時)から停戦が発効し、イスラエル軍が人口密集地などから撤退。ガザの住民の多くは北部ガザ市などへ帰還を始めていた。

 アラブメディアによると、死亡した人質の遺体の一部は行方が分からなくなっているため、米国やイスラエル、トルコ、カタールなどによる多国籍の捜索隊が現地に入って捜すとみられている。捜索隊は必要に応じて重機も搬入し、がれきの撤去も行うという。

 ガザの戦闘を巡っては、ハマスとイスラエルが9日、和平に向けた「第1段階」となるイスラエル軍の部分的撤退とハマスによる人質全員の解放に合意していた。ハマスの武装解除や戦後の暫定統治などについては今後の交渉で詳細を決める見込みだが、双方の要求には隔たりもあり、交渉が長期化する可能性も残されている。【カイロ金子淳、エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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