香港火災 独立調査を求めた男性を拘束 政府批判を警戒か

2025/11/30 20:24 

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 香港の高層住宅火災を巡り、香港警察国家安全処は29日、独立調査委員会の設置を求めて署名活動をした男性を拘束した。香港メディアが報じた。当局は市民による支援物資の配布についても規制を始めており、政府の対応への批判が抗議運動につながらないよう警戒しているとみられる。

 ◇死者146人に

 当局によると30日、火事による死者は146人となった。連絡が取れていない人は約40人。

 香港紙・明報(電子版)などによると、拘束された男性には「火災を口実に扇動しようとした」疑いが持たれている。

 男性は火災が広がった原因と指摘されている外壁改修工事で不正があったとして、独立調査委員会の設置や建設工事の監督体制見直しなど4項目を政府に請願するグループを結成。現場近くでビラを配ったり、インターネット上に文書を公開したりして署名を呼びかけていた。

 また、警察当局は現場近くの公共スペースで衣服や食料などを被災者に配布していたボランティアらにブースを撤去して物資を運び出すよう求めた。29日中にスペースから配布ボランティアの姿は消え、警察のテントが立てられた。

 政府幹部は「物資は十分あり、別の公共施設で寄付も受け付けている」と説明している。ただ一部メディアは、警察がボランティアの中に過去の民主化要求デモに参加した人がいることを警戒しているとの見方を伝えた。食事の配布を担当していた女性会社員(36)は「ただ残念だ」と話した。

 中国も政府批判の動きに神経をとがらせる。中国政府の出先機関・駐香港国家安全維持公署の報道官は29日、「香港を乱す反中分子が虚偽の情報を流して混乱を作り出そうとしている」と批判する声明を出した。声明では反中勢力が2019年の民主化デモの再現を狙って、香港政府の救助活動を悪意をもって攻撃し、社会に対立を生み出そうとしていると主張。「災いを利用して香港を乱すもの」は香港国家安全維持法(国安法)に基づいて処罰すると警告した。【香港・林哲平】

毎日新聞

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