プーチン氏、年末恒例の大規模会見実施へ 和平協議巡る発言に注目

2025/12/19 10:17 

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 ロシアのプーチン大統領は19日、年末恒例の大規模記者会見に臨む。ウクライナでの「特別軍事作戦」が2022年2月の開始から丸4年に近づく中、和平協議を巡る発言が注目される。露国内では市民の間に経済面などで不満も蓄積し、「ガス抜き」の場にもなる模様だ。

 トランプ米政権が仲介する和平協議は、ロシアに有利な条件をウクライナと欧州諸国が一部押し返す形で続く。露側は、戦場での優勢やウクライナの大規模な汚職疑惑をテコに、米国の取り込みを図る。

 プーチン氏は17日も、外交か軍事力のいずれかで「作戦の目標は必ず達成される」と主張した。ロシアが「自国領」と主張するウクライナ東・南部4州を巡って妥協しない姿勢を強調している。

 ウクライナを支える欧州諸国は、和平にあたってロシアによる攻撃の再発を阻止するため、欧州主導の多国籍軍の編成を目指す。だが、露側は、西側諸国の軍隊のウクライナ駐留を一切容認しない姿勢だ。

 1年を総括するプーチン氏の大規模会見は近年、国民の質問などに答える対話イベントと合わせて実施されている。タス通信によると、今回は18日までに200万件以上の質問や要望が寄せられたという。

 今年73歳のプーチン氏は昨年の会見では約4時間半にわたって質疑応答を続けた。長期政権を率いる国家指導者として、持久力や弁舌をアピールする場となっている。

 会見には、対露制裁を続ける日本などの「非友好国」も含め、国内外の記者ら多数が出席。会場の参加者は前日に新型コロナウイルスなどの検査受診を義務づけられた。【モスクワ真野森作】

毎日新聞

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