豪政府が大規模な銃の買い戻し政策を発表 数十万丁を回収へ

2025/12/19 16:28 

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 オーストラリア東部シドニーのビーチで起きた銃乱射事件を受け、アルバニージー首相は19日、大規模な銃の買い戻し政策を発表し、「事件は街からもっと銃をなくす必要があることを示した」と述べた。

 事件では、過激派組織「イスラム国」(IS)を信奉していたとみられる親子が容疑者と断定された。父親は10年間、銃器の所有許可証を保有し、6丁の銃を登録していた。アルバニージー氏は「これほど多くの銃が必要だった理由はない」と述べ、「現在、豪州には400万丁を超える銃器が存在する」と強い懸念を示した。今回の政策により、数十万丁の回収を想定しているという。

 豪政府は事件後、銃規制強化の方針を表明。個人が保有できる銃器の数に上限を設けるほか、所有には豪州国籍を要件とする法改正を検討している。

 豪州では1996年、南部タスマニア州で35人が死亡した銃乱射事件を受け、銃の所持に狩猟や農業などの正当な理由の証明を義務付けた。だが豪メディアによると、銃の所有者1人当たりの保有数は平均4丁に増え、規制導入前より国内の銃の総数は増加していた。

 アルバニージー氏はまた、事件から1週間となる21日を「追悼の日」と定め、事件発生時刻に合わせ、1分間の黙とうを呼びかけた。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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