米首都の文化施設を「トランプ・ケネディ・センター」に変更 反発も

2025/12/19 11:56 

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 米ホワイトハウスのレビット大統領報道官は18日、首都ワシントンの総合文化施設「ケネディ・センター」の理事会が施設の名称を「トランプ・ケネディ・センター」に変更する決議をしたと明らかにした。トランプ大統領はかねて自身の名を冠することへの願望をほのめかしていた。ただ正式な変更には連邦議会の承認が必要とみられるほか、理事会が不適切に行われたとの指摘も出ている。

 ケネディ・センターはオペラハウスやコンサートホール、劇場などを備え、着工に向けて尽力した民主党のケネディ元大統領を記念する総合文化施設として1971年に開館した。

 トランプ氏は1月の2期目の就任後、2月に超党派の理事会を「刷新」して側近らで固め、自ら理事長に就任した。改修工事に多額の費用を投じ、演目からリベラル色を排除するなど自身の好みに塗り替えている。「トランプ・ケネディ・センター」との名称にも度々言及していた。

 レビット氏はX(ツイッター)で、「理事会の全会一致で決議した」と主張。トランプ氏がこの間、施設の発展に多大な貢献をしたとの見方を示した。一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、10月のチケットの売り上げが前年同期比で半減した。施設の党派色が強まった結果、市民の一部が足を遠ざけているとの見方がある。

 ホワイトハウスで記者団の取材に応じたトランプ氏は改称について「驚いたけどとても名誉なことだ」と語った。米メディアによると、トランプ氏も電話で理事会に参加したという。

 ただNYTによると、名称は連邦法で規定され、正式な変更には議会の承認が必要とみられるという。また理事会のメンバーの民主党のジョイス・ベティ下院議員はXで、電話で理事会に参加したものの自身の発言がミュート(遮音)で妨げられたと主張。「全会一致ではなく、異論を封じて法律を回避する政権の新たな試みだ」と批判している。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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