「中国による威圧を非難」 米上院が日本を支持する超党派決議案提出

2025/12/19 10:39 

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 日本と中国の関係悪化を受け、米連邦議員から日本を支持する動きが出ている。上院の共和、民主両党の議員は17日、トランプ米政権による日米同盟への支持を再確認する決議案を提出した。下院でも民主党の議員が8日、トランプ大統領に対して、日本への支援を強化するよう求める書簡を送った。

 決議案は、上院外交委員会のリケッツ氏(共和)とクーンズ氏(民主)が主導し、元駐日大使のハガティ氏(共和)らも名を連ねた。

 決議案では、中国による日本への渡航自粛要請や、中国軍による自衛隊機へのレーダー照射などを挙げ、「中国による日本への経済的、軍事的、外交的な威圧を非難する」と明記。日本については緊張緩和に動いていると評価した。

 その上で、米国による対日防衛義務を規定した日米安全保障条約第5条への揺るぎないコミットメントや、沖縄県・尖閣諸島を適用範囲とすることを再確認するとした。

 また、8日の書簡は下院外交委員会東アジア・太平洋小委員会のアミ・ベラ議員(民主)らがトランプ氏に送った。書簡では、中国が日本に対して経済的、軍事的な威圧を強めているとして懸念を表明。「日本は最も親密な同盟国の一つ」だと指摘し、日米同盟は「自由で開かれたインド太平洋」の礎だとして米国が日本を支援する重要性を強調した。

 中国は高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発し、日本への威圧を強めている。米政権は「(トランプ氏が)米国は強固な日米同盟を堅持しながら、中国と良好な協力関係を保つ立場にあるべきだと考えている」(米ホワイトハウスのレビット報道官)と述べるなど、対中配慮をにじませている。中国との通商交渉への悪影響を避ける狙いがあるとみられる。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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