食事誘いも…あま市職員、市民からハラスメント半数超 警告書発出へ

2025/12/19 17:52 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 愛知県あま市は19日、市職員を対象に行った市議や市民からのハラスメント実態調査の結果を発表した。半数以上の職員が市民からハラスメントを受けた経験があると回答し、市議から受けたとする職員も約14%に上った。不当な要求と認められた事案について、市は該当する市議や市民に警告書を出す方針。

 調査は8~9月に無記名で実施し、職員243人が回答した。

 約55%が市民からハラスメントを受けたと回答。女性職員への食事の誘い▽「無能だ」などの侮辱的発言▽書類を投げつけられるなど--のほか、巡回バスが自宅付近を通らないことに対し「最寄りの公共施設に火を付ける」と脅されたり、土下座を要求されて何時間も罵声を浴びせられたりしたケースもあった。

 こうした行為により「PTSDを発症した」「自宅や家族に危害が加えられるのではないかと恐怖を感じた」などの回答もあり、休職に追い込まれた職員も6人いた。

 また、市議からのハラスメントでは、大声での暴言や容姿に関する差別的発言のほか、不必要な職員採用の要求を断ったら「一般質問でやったるでな」と恫喝(どうかつ)されたり、特定団体への口利き行為を断ると強い言葉で脅されたりした事例などが判明した。

 職員からは「その議員を見たり考えたりするだけで吐き気や腹痛に襲われ、食欲不振になり体重が減った」という回答もあり、休職した職員も1人いた。

 村上浩司市長は「毅然(きぜん)とした態度で対処していかないといけない」とし、山内隆久議長に調査を申し入れた。【道下寛子】

毎日新聞

社会

社会一覧>