メルツ独首相、24日から初訪中 「重要な貿易相手」経済関係強化へ
ドイツのメルツ首相が24~26日の日程で中国を訪問する。独政府の発表によると、25日に北京で習近平国家主席と会談する。米国との関係がぎくしゃくするなか、重要性が増す中国との経済的な関係を深める狙いがある。メルツ氏が昨年5月に首相に就任してから中国を訪問するのは初めて。
「中国は重要な貿易相手だ。私はビジネス界の大規模な代表団を伴って訪中する」。メルツ氏は20日、自身が所属する中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)の党大会でこう強調した。
ドイツの対中政策は、ここ数年で変化してきた。
長期政権を築いたメルケル元首相は中国市場を重視。05~21年の任期中に対中貿易額は4倍にまで膨らんだ。一方で、ショルツ前首相は覇権的な動きを強める中国を「体制上のライバル」と位置づけて警戒。過度な経済的依存を避ける「デリスキング」へとかじを切った。
メルツ政権は前政権の姿勢を引き継いだが、その姿勢には変化が表れている。
メルツ氏は米誌フォーリン・アフェアーズへの寄稿(13日電子版)で「ドイツは中国との関係を見直す」と表明。「中国が新時代を形作る大国の一つだという事実に向き合いながら、現実主義に基づき対話する」との考えを示した。
背景には最近の米国との関係悪化がある。昨年1月発足のトランプ政権は欧州連合(EU)からの輸入品に15%の関税をかけ、ドイツの対米貿易も縮小した。連邦統計局によると、米国への輸出額は昨年、前年比で1割弱減少して1462億ユーロ(約26兆7200億円)となった。昨年の貿易総額では中国が米国を抜いて2年ぶりにドイツにとって最大の貿易国に返り咲いている。
ドイツ国内は景気が低迷しており、基幹産業の自動車や化学業界にとっては、中国との関係強化が望ましい。メルツ氏は、中国によるレアアース(希土類)の輸出規制や安価な中国製品の過剰な流入といった課題に加え、ロシアのウクライナ侵攻への対応なども中国側と協議したい考えだ。【ベルリン五十嵐朋子】
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