豪州、イラン女子サッカー選手に人道ビザ 国歌斉唱拒否で安否懸念

2026/03/10 17:28 

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 オーストラリア政府は10日、同国で開催中のサッカー女子アジア・カップに出場していたイラン代表の選手5人に対し、人道目的のビザ(査証)を発給したと発表した。選手らは最近、試合前の国歌斉唱を拒否し、帰国した場合の安否が懸念されていた。

 豪メディアによると、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃が始まっていた2日、対韓国戦の国歌斉唱でイラン女子選手らは沈黙を貫いた。これが母国への抗議と受け止められ、イラン国営メディアは「戦時中の裏切り者」と非難し、帰国後の「厳しい処罰」を示唆。大会で敗退し、帰国を控えるチームの安全を懸念する声が、サッカーファンらから広がっていた。

 アルバニージー首相は10日の記者会見で、豪州国民が「勇敢な女性たちの窮地に心を動かされている」と述べ、「彼女たちはここが安全で、我が家のように過ごせるはずだ」と語った。残りの選手にも希望があれば、「喜んで支援する」と表明した。

 トランプ米大統領は9日、自身のSNSで、選手らが帰国すれば「殺害される可能性が非常に高い」と投稿し、「豪州は人道的な大失敗を犯そうとしている。受け入れないなら米国が保護する」と批判していた。

 アルバニージー氏はその直後にトランプ氏と電話で協議し、ビザ発給について説明。トランプ氏は一転、SNSで「彼は実に見事にやっている。豪州に神のご加護を!」と評価した。

 ビザを発給した選手たちと面会したバーク内相は10日の会見で、「女性たちは喜びと安堵(あんど)に満ちていた。オーストラリアで新しい生活を始めることに期待していた」と語った。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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